寂聴巡礼
瀬戸内寂聴さんの
「寂聴巡礼」を読む。
本の帯に「
祈りと出会いの西国巡礼三十三カ所、白装束・すげ笠で巡礼に立つ著者とともに巡るこころの旅」とある。
世俗の世界に住むものにとっては、しばし心が洗われる。
巡礼にあこがれる。
寂聴さんアリガトウ!
本文より(「寂聴巡礼」集英社文庫P199~P200)
「巡礼に出たいということは、私の『行』志向の一つのあらわれであり、ひとりの人の死による思い立ちであった。その人の冥福を祈るというより、その人の死によってもたらされた自分の心の動揺をおさめたいという我執であったかもしれなかった。昔の行者が踏みかため、無数の巡礼の涙と汗を吸いとった道をたどることで、気づかない間に心の修羅がなだめられ、悲しみがいやされていくことは、非日常の生活と脱世間の聖なる時間がもたらす不可思議の作用によるものではないだろうか。それが功徳と呼ばれる御利益と信じらけているものかもしれない。」
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